【決勝】アメリカ戦(8/12)終了後、宇津木ヘッドコーチインタビュー全文 / WBSC世界女子ソフトボール選手権大会
2018.08.13
 
-----まずは決勝戦を振り返っていただいてよろしいでしょうか?
 
そうですね…あの…うーん…やっぱり今日の一戦はちょっとアメリカの「力」…って言ったら、うーん…ちょっとその何て言うのかな…まあ力は同じくらいで、やり方違って、負けてないんですけど。ただそのいろんな意味で経験させてもらって。ほんとに二年間準備してきた、やっぱりピッチャー。日本はそのピッチャーの層が不足で、やっぱり十年間のブランクが大きかったんじゃないかなと思ってます。まあそういう意味でこの二年間、一昨年から自分自身が12月に就任して、一番心配したのがやっぱりピッチャーですね。で、この二年間の中でピッチャーを主に全日本の中に入れて、各チームもだいたい最低でも一人のピッチャー、若いピッチャーを入れて、海外に連れて行ったりとか、変化球を教えたりとか、ほんとに強化してきたんですけど、やっぱり海外に行って結構打たれるところがなかなか子供たち(若い選手)もまだまだ自信がない中、今回全日本のメンバーを選びました。そういう意味で、もちろん今日負けましたけど、まだまだこれからの二年間、ほんとにピッチャーをどうやって経験させるかなって。なかなかその…ソフトボールって変化球のスポーツですから。もちろんスピードがあれば良いんですけど。やっぱり今、日本の子供たちはなかなか上野みたいな身体能力が高いピッチャーがいない中、どうやって変化球、どうやってコントロールをするか。まあ私自身は2000年のシドニーの時、上野が居ない中でコントロール良いピッチャーたちを使って銀メダルを取ってるんですから、そこも視野に入れながら、これからしていかないといけないかなと思いながら。今日の試合が終わってほんとに自分自身がいろんな経験をさせてもらって、やらないといけないなと。また終わった瞬間、再スタートしたいなと思った瞬間です。ほんとに今日のゲームはみんな良く頑張りましたし、大きな希望をもってまた明日に向かって行きたいなと思ってます。
 
 
-----東京オリンピックまであと二年というところですけれど、今までの二年とこれからの二年といった部分で、今回の世界選手権をきっかけに、得たもの、それから直していきたいところ。東京五輪・オリンピックを見据えたうえでいただいてもよろしいでしょうか?
 
そうですね、その直したいところ、正直に言うと、うーん…やっぱりもっともっと選手の個人個人の技術・能力。例えば送りバントとか。もちろんパワーでアメリカと勝負するのはとても難しいので、パワーではなくほんとに細かいことをやっぱりもっともっと選手たちに教えていかないといけないかなと思いました。で、今、日本にやっぱりアボットとかリケッツとか、素晴らしいピッチャーが日本にいて、相手のチームはいろんな意味で考えてやりながら細かいことできるんですけど、当事者のチームはなかなかその細かいことをまだまだできてない。やっぱり良いピッチャーがいるだけで、細かい技術とか、そういうのをこれから監督として目標・課題を作ってきたので、もっともっと細かいプレイは日本のものですので、逆にこの十年間のブランクの中でエンドランにしてもスラップにしても…他の国のものになってしまったところを、監督自身が特に今日…感じました。そこをちょっとほんとに真剣にしっかり作って、この二年間、野手の皆さんを作っていきたいなと思ってます。まあ良いところほんとにたくさんあるんで、これを継続して、そしていくら継続しても相手も成長していくんで、それを想像した中で、更に更にパワーをつけていきたいなと思ってます。
 
 
-----タイブレーカーになってからの最後のサヨナラ打を打たれる前後、上野選手に完全に任せるということで、敢えてタイムをかけなかったんでしょうか?
 
そうですね、実は、自分自身カナダ戦の時キャッチャー(我妻)と話しながら配球してきたんですけど、アメリカ戦ではもう完全にキャッチャーに任せようかなと思って。うーん…やっぱり今、日本はほんとにピッチャーの層もちょっと薄いんですけど、でもキャッチャーの層も結構…。バッテリーがやっぱり海外から来るので、そういう意味で今回この経験を、やっぱり我妻にどうしても経験させたい。私自身がいろんな考えをもって今回試合に臨んできて、ほんとにこのチームで誰が一番成長しないといけないかというと…、やっぱり監督自身が一番成長しないといけない。選手ではやっぱり我妻ですね。やっぱり彼女の頭脳が、サイン一つ、指の一本、選手の全てを動かさないといけないですから。だからそういう意味で今日、そんなにタイムかけなくても我妻に経験してもらいたいなって。あとやっぱりこのチーム、特にルーシーコーチと山路コーチ、やっぱりみんなバッテリーなんで、その中でほんとに良いアドバイスしてもらいながら、どれくらい彼女(我妻が)が度胸を持てるかっていうような…その一つの考え方で今日はあんまりタイムをかけなかった。何回も何回も行きたかったんですけど、でもここで行ったら彼女の思考を止めてしまったらどうしようかなと思いながら、逆にプレッシャー掛けたら何かいけないかな(笑)と思いながら、そういう風に自分の足を止めました。
 
 
-----今日の上野さんについて、延長入ってからかなり疲労困憊な様子に見られたんですけど、その時の上野さんについては?
 
そうですね、上野はやっぱりまだまだ健在だなと思いながら。もちろん、今日の一敗は、言い訳でもなんでもないんですけど。彼女の能力はまだまだ深いところがたくさんあるので。要はやっぱり2020年、その大きな目標。もちろん今日投げるものは全て真剣に投げてきたんですけど、でも我々やっぱり、さっきも何度も言うけど、層がちょっと薄くなってきたんで、そこを上野が全て抑えていく。ボールとかもそうなんですけど、全部が全部出すわけにはいかないし、このボールだったら必ず抑えていけるというような、そしてやっぱり我妻が彼女(上野)の能力を使えるかどうか、一つ今試してますので。上野に関しては今日全然文句なしの、ほんとに100点以上ですね。
 
 

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