カナダ戦(8/7)終了後、上野由岐子インタビュー全文 / WBSC世界女子ソフトボール選手権大会予選リーグ
2018.08.07
 
ーーーーー三試合連続で無失点で今日完封ということですけれども、試合を振り返っていかがでしょうか
 
えー、今日は立ち上がりがすべてだったのかなと思います。まあ個人的には、すごくいい経験をさせてもらったなと。

 
ーーーーーその経験というのは、雨のことでしょうか
 
そうですね、雨の中断もあるし、状況というか、ああいう状況ってこう、自分で作り出せるものではない。もう、20年近くやってますけど、初めてこういう経験ができて、また一つ自分の中で、新たな引き出しができたかなと思ってるし、また中断を選択する決断を一瞬でできたこと。やっぱりそう…いままでの経験が、すごくあったから、あの決断も出たし、いろんな意味で勝ったからよかったですけど、本当にいい経験ができたかなと。だからあそこ…再試合で、最後しっかり抑えることができたのかなっていう。あとなんか、こう、久しぶりに投げてて…「なんか奥が深いな」って思いました(笑)
 
 
ーーーーーその初回、ヒットとフォアボールでいきなりのピンチでしたけど、それはやっぱり雨の影響というのは…
 
いやー、十分にありましたね。やっぱり足場があんまり良くなくて、まだちょっと左の膝もあんまりよくないので、かなり不安なところがあったし。うん、なかなか力を入れて投げることができなかったので、まあボールもすごく置きに行くようなボールしか投げれない状況で、どう抑えていくかっていうのを本当に必死に考えながらボール投げてた(笑)ような状況だったので、やっぱり主審がああやって、決断権を与えてくれたことに関してはすごく感謝してますし、そこで自分が中断を決断できたことはかなり大きな流れを呼んだんじゃないかなと。
 

ーーーーー上野さんがこの決断をされた?
 
なんか「投げれる?」みたいな感じだったので、主審が聞いてきてくれたので、「いや、ちょっと無理です(笑)」って言ったら、「じゃあOK!」みたいな、「じゃあ一回戻ろう」みたいなことを言ってくれたので、そういった意味では審判によってなので、審判は選手に聞かずに中断を決める審判もいれば、いろんな判断をする方がいるので、本当に主審の方が自分に意見を求めてくれたことがすごく助かったと思っています。
 
 
ーーーーーそのノーアウト満塁から三者連続三振でしたが、そこの気持ちの切り替えというのは…
 
うん…まあ足場さえしっかり守れれば、自分の投げやすい環境をを作れれば、絶対投げれるという自信があったので、そういった意味では、やっぱり満塁になったことで自分の中で自分の考えというか、どう持っていくべきかというのを考えられたし、そこで自分がしっかり投げやすい足場をグラウンドキーパーに要求できたことが、やっぱり三者三振にとれた一つの大きなきっかけでもありますけど。まああの、マウンドに行く際に麗華監督に「もう三振しかないからね」みたいなこと言われたので、かなり大きなプレッシャーではありましたが(笑)結果としてゼロに抑えれたのでよかったかなと思っています。
 
 
ーーーーーカナダ打線についての印象というのは?
 
カナダはいつもしっかり振ってくるイメージですね。アウトコースの低めに関してかなり強振してくるバッターが多いので。やっぱり、日本のピッチャー、アウトコースの低めでカウントを取る投球が多いので、すごくあんまり相性がよくないというか、結構いつもランナー背負うケースが多いので。そういった意味では、どう追い込んで、どう振らせるか、っていうのを特に我妻と話しながら入っていきましたね。
 

ーーーーー後半につれて調子が上がっていきましたけど、これについてはどういった意識が…
 
んー…まあ足場も整ったし、雨も止んでくれたので、そういった意味では、こう、自分のリズムをしっかり守っていくこと。あとはとにかくしっかり振ってくるバッターが多いので、失投しないこと。あとはその、どのボールを空振りしているかっていうのを、ストライクボールではなくて、しっかりコースで判断してくことを意識しながら、投げていきました。

 
ーーーーー最後に決勝トーナメントがこれから始まりますけど、これからの意気込みをお願い致します。
 
そうですね。まずオーストラリアにしっかり勝って、なんとか予選1位で、いい形で入りたいなっていうそういう思いですね。もちろん台風も来てますし、いろんな状況の中で戦わないといけないことが想定されてるので、しっかりその準備もしながら。どのチームも同じ条件なので、その中で、日本の強さをアピールしていけるような試合を作っていけたらなと思っています。

 
ーーーーーグラウンドキーパーに自分の場所に要求されたという話だったと思うんですが、どんなことを…?
 
土を入れないでほしいというのをひたすら伝えました。

 
ーーーーー入れてほしくないんですか?
 
入れるとその…土が、滑るので。雨に濡れて、へこんで。掘れててもいいので、とにかく固い土を出してほしかったので、そういう要求をして。

 
ーーーーー今までのキャリアで、そういう要求をしたことはなかった…?
 
いや、もちろんありましたけど。
 
 
ーーーーー普通の整備だと入れるんですか?土を。
 
基本入れてくれる形のほうが多いですね。ただ今回は、雨も止みそうな感じではなかったですし、結局、最初の初回も、入れた土が滑って、ちょっと状況が悪かったので、なんとかそういう土を入れてほしくなかった、っていう。そういう思いがありました。
 

ーーーーーその後、ローリー投手が結構深く掘っていたと思うんですけど、影響っていうのは…?
 
海外の選手はすごく幅広く深く掘る選手が多いので、まあそれは慣れてたというか、はい。なんか…はい、上がったときに「あ、こんな感じか」って思いました。(笑)
 

ーーーーー「足場さえしっかりしていれば抑えられる自信があった」と仰ってましたけど、状態として過去2戦より上がってるなっていう手応えはあったんでしょうか。
 
そうですね。まあ徐々に…。たいぶ…やっぱり試合勘も出てきますし、はい。投げてだいぶ。状態が特別良いわけではないんですけど、落ち着いてきたかなっていうような手応えはあります。
 

ーーーーー中断の28分、上野さん自身どのようにして過ごされました?
 
ベンチで我妻と他愛もない話をしてました(笑)<会場笑い>
 

ーーーーー足場以外に修正した部分っていうのは、中断開けてからはあったんですか?
 
んー…まあ足場が整ってからは意外とスピードも出てましたし、その自分の感覚をどちらかというと大事にしながら投げてた方が多いっていうか、まあそんな感じです。
 
 
ーーーーーいきなりノーアウト満塁になって、「足場さえしっかりしていれば、っていう自信があった」というお話でしたが、その不安というのを、今三塁ランナー背負ってる状態で、足場が悪い状態で、不安というのはどんな感じのものだったのでしょうか。
 
えっとー…中断する前のケースはやっぱり足場が緩くて、力を出して投げることができなかったので、やっぱり、打たれるリスクのほうが高いなって思いながら、「さあどうしよう、その中でどう抑えようかな、どういう打球を打たせなきゃいけないのかな」と。やっぱり力が入らない中で、三振を取れるとは思ってなかったので、まあどういう打球を打たせたいのか、もちろんあのケースで外野フライでも1点入るケースだったので。とかっていうのを考えながら。ボールの先攻っていうのもあったので。まあフォアボールで出した後だったので、あんまりボールを先行させたくもなかったですし。
 
 
ーーーーー三振取れると思ってなかったっていま言われましたけど、実際には三振に取ったと、よく取れたなと?
 
まあそこは…足場が変わったので、あ、1アウト目ですか?
 

ーーーーーあれは逆によく取れたなと?
 
そうですね、はい。

 

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