アメリカ戦(8/11)終了後、宇津木ヘッドコーチインタビュー全文 / WBSC世界女子ソフトボール選手権大会 準決勝
2018.08.12

-----今日の試合振り返っていただいてよろしいでしょうか?
 
今日、あのー…やっぱり私たちの選手の目標はやっぱり2020年の金メダルですから。上野以外のピッチャーを作っていかないといけないし、この雰囲気とか、どういう雰囲気なのかとか。例えば上野が出たら雰囲気が変わってくるので。まあそういう意味で、今日初回からエースのアボットを攻略したっていうのが、すごい明日に繋がっていったし、また2020年にも、繋がっていったんじゃないかなと思ってます。ただ、やっぱりまだまだミスっていうのがあるので、その細かいプレイとかそういうような練習。これからもっともっと練習していかないといけないかなって。特に最後のランナーサードの時、ちょっと監督自身がちょっと迷ってて、まあそういう意味でちょっとそこまでハッキリしてなかったところで、一球目打ってしまったっていうのがちょっとどうかなっていうのが、自分自身反省していかないといけないかなと思いました。とにかく今日のゲームは自分自身がすごく予測内のゲームでしたから、まあそういう意味で良かったと思ってます。
 

-----藤田選手の投球についてはいかがでしたでしょうか?
 
だいぶ藤田投手も成長してきて、ただこの雰囲気はやっぱりなかなか。また、やっぱり審判のストライクゾーンに苦しむような感じがするんですね。まあ世界のソフトボールはこんなもんかなっていうように、もっと楽に考えた方が良いんじゃないかなと思います(笑)。
 

-----明日ダブルヘッダーになるというようなところもあると思うんですけど、そのあたりも含めてどうですか?
 
そうですね、まあここ来たら、今一番カナダチーム、アメリカよりノッてますので、そこをしっかり抑えていく。そしてまた最後はアメリカと会いたいなと思ってます。
 

-----1番最初に上野選手の話が出ましたけど、上野選手の温存っていうのはチームとしてどういった?
 
いや、(藤田に対して)「上野居ないと思って今日頑張りなさい」っていうことですから。あの…もちろん各チームみんなそうなんですけど、エースはずっと投げてる。ソフトボールと野球、ちょっと違うのはそういうところですから。みんなエースは何試合も投げてますけど、上野投げたら何にも…。ある意味今日(上野が投げれば)勝ったと思うんですけど、でもそれだけが我々の目的じゃないので。そういう意味で、今日はもう、朝から上野動いてなくても、打順の中でもDPではなくピッチャーっていうことで、藤田に託していくっていう。まあ自分自身の決断ですから、そういう意味ですごい良かったと思います。

 
-----7回の満塁を藤田選手が抑えた場面で、すごい体力的にかなりしんどいのではないかっていう風に見てて思ったところがあったんですけど、そのあたりはどのように?
 
しんどいから練習してるし(笑)あんまりそこしんどいから何っていうのはない。要は藤田自身が成長していかないと、彼女が成長していかないとやっぱり2020年難しいので。そういう意味で、そこまでしんどいとか彼女自身は全然考えてない。これが練習だなっていうのが、また良い意味で彼女が成長してくれたら、ほんとに今日の一戦は絶対良いと思います。
 

-----今日のアメリカの打線のイメージっていうのは、監督の目にどう映りましたか?
 
正直言うと、ちょっと固くなってるんじゃないかなっていう感じがします。逆に、我々の方ではなく相手が勝手に…。(アメリカは)すごい打つチームですね。みんなパって当たってフライだと思ったら全部ホームランになるし。オリンピック決める一戦ですから、そういう意味で固くなってるんじゃないかな、っていう印象です。
 

-----ほんとはもっと気楽にというか、軽くどんどん振ってくるようなイメージがあったっていうことですか?
 
そうですね、そこも藤田のテンポにハマったっていうのもあるんですね。アメリカはやっぱり高目に強いので。特にアメリカの選手は小さく見えても、170㎝超えてますんで。普段の日本のピッチャーは投げるとき、なかなかこう、胸のところ投げたら打たれないんですけど、アメリカの胸のところとか肩のところ行ったらもうホームランになるんですね。これも一つ、これから反省しながら練習をしっかりしていこうかなと思ってます。
 

-----今日タイブレークというのを経験できたと思うんですけど、そこに関してはどのように感じていらっしゃいますか?
 
ちょっと最後…タイブレーク行ったとき、もっともっと自分(宇津木ヘッドコーチ)が冷静にならないといけない。実は、川畑選手は今すごい調子良いんですよ。代打も、打つ時も。すごい良いですから、ここでエンドランとかスクイズとかかけてもアレかなって、1球目ですし。2球目とにかく思い切り振って、振りながらタイミングを見ていこうかなと思いながら。ちょっと正直に言うと、ランナーも一応、話の中でショートとセカンドゴロは走って良いよって話はしたんですけど、結局、大工谷選手はランナーではなく代打の準備ですから。そういう意味で、ちょっとここが監督自身の準備不足・想像不足かなっていう感じがします。
 

-----最後、アメリカチームのリケッツとかガルシアの、ああいうオプションの起用の仕方っていうのは、ある程度予想してたものなんですか?
 
そうですね、もう2年前やってますので、全然予測してます。ケンさん(アメリカ:ケネス・エリクセン ヘッドコーチ)向こうの監督は、私も2012年の時から就任して、彼も2012年からアメリカの監督に就任して。お互いずっと、私は4年間やって1回降りたんですけど、彼はずっと見てこのチームを作ってきたし。今回、特にアボット投手とリケッツ投手。やっぱりこの二人のイメージというのがアメリカに力をつけて、自信をつけてきたんじゃないかなっていう感じがします。自分自身は、そのやり方どうこう、ハマることは無く。特に今日のピッチャー、最後のガルシア。あのピッチャーまだほんとに出てきたばっかりなんですよ。ウチのバッターはまだ(対戦の)経験無いんですよ。何のボール投げれるとか、分からないんですね。これから日本の選手はものすごく対応能力を持ってるんで、監督としてのやり方を、しっかり攻略していきたいと思います。
 

-----タラレバの話かもしれないですけど、あのクロスプレイ(2回表・山田のセンター前安打で河野がホームに突入したシーン)に抗議されてましたけど、あれはどんな?
 
今年から特に、監督会議の中で言われていて、(キャッチャーは)ボール来た時にライン線に入って良いんですよ。(ルール上)ボールが来る前は、前に出て、捕ってからこのライン上に入る。でも彼女(アメリカのキャッチャー)は最初からライン線に入っていて、ランナーはどうしても回り込むしかなかったんですね、だからそこを言ったんです。WBSCで今年、このルールはすごい変わって、とにかくキャッチャーにうるさくて、とにかくサードライン線を超えたらいけない。これを最初からずっとずっと言ってて、我々(日本)も気を付けていきましょうねって言ってて、そこをアメリカがOKっていうのはどうかなと思いました。それだけちょっと抗議しました。
 

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